2027年、系統用蓄電池の選び方が変わる?― JC-STAR対応と「システムで選ぶ」という考え方 ―

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系統用蓄電池の案件を検討するとき、これまでは「2MW/8MWhでいくらか」「どこの電池を使っているか」「納期はいつか」といった点が、比較の中心になっていました。

もちろん価格や容量、メーカー実績、保証は今後も重要です。しかし2027年度以降を見据える案件では、もう一つ確認しておきたい項目があります。それが、サイバーセキュリティへの対応です。

系統用蓄電池の選び方が変わってきた

資源エネルギー庁によると、高圧・特別高圧の太陽光発電設備と蓄電池では、2027年4月以降に契約申込みを行う場合、対象機器にJC-STAR★1取得製品を使用することが系統連系の要件となります。

ここで注意したいのは、「2027年4月以降に運転を開始する案件」という意味ではないことです。接続検討をそれ以前に行っていても、契約申込みが2027年4月以降であれば対象となります。

そのため、これから設備を選定する案件では、価格やメーカー名だけでなく、実際に採用する機器のセキュリティ対応まで確認する必要があります。

JC-STARとは?

JC-STARは、IoT製品のセキュリティ要件への適合状況を分かりやすく示す制度です。★1は、製品に共通して求められる最低限のセキュリティ要件への適合を、製品ベンダーが自己評価し、IPAが適合ラベルを付与する仕組みです。適合ラベルがあるからといって、あらゆるサイバー攻撃に対する完全な安全性を保証するものではありません。

蓄電所の場合、確認対象は「電池セルだけ」ではありません。資源エネルギー庁は、通信機能を持つPCS、BMS、EMSなどの出力制御装置や遠隔監視装置などを対象として示しています。

また、JC-STARは基本的に製品単位の制度です。IPAも、現時点では「システム」そのものはJC-STARの対象外と説明しています。したがって、「この蓄電所一式が認証済み」と大きく捉えるのではなく、実際に採用する対象機器を一つずつ確認する考え方が大切です。

「海外製電池+国内制御」も一つの構成

最近の系統用蓄電池では、世界的な大手電池メーカーのセルやコンテナと、国内のPCS・EMS・制御技術を組み合わせる構成も見られます。

そのため、「海外製だから対象外」「国内製だから自動的に対応済み」といった単純な判断はできません。

重要なのは、どこの電池かではなく、どの型番の電池・BMS・PCS・EMSなどを組み合わせ、誰が全体を取りまとめるのかという点です。

IPAの公開リストにも、蓄電システム、PCS、EMS、BMS、制御装置などさまざまな種類の★1取得製品が掲載されています。登録番号だけでなく、現在のステータスや有効期間も確認できます。

制度対応も製品選定の一部に

国内では、JC-STAR取得機器を組み込んだ蓄電池パッケージや、海外製電池と国内制御機器を組み合わせる構成など、制度対応を意識した提案が増えています。

ただし、JC-STARだけを理由に設備を選ぶものでもありません。

低騒音性、施工性、納期、価格、保証、量産体制、保守体制など、実際の蓄電所運営ではさまざまな条件があります。

また、JC-STAR★1を取得しているから一次調整力に参加できる、という意味でもありません。 需給調整市場への参加には別途、応動性能などの要件や事前審査があります。電力需給調整力取引所では一次調整力についても書類審査・実働試験などの事前審査手続きを定めています。

これから確認したい5つのポイント

今後、系統用蓄電池の見積や提案を受ける際には、少なくとも次の5点を確認しておきたいところです。

① JC-STAR
採用予定製品の型番、登録番号、取得対象範囲、ステータス、有効期間。

② システム構成
電池、BMS、PCS、EMS、遠隔監視のメーカー・型番と責任分界。

③ 調整力市場への対応
一次調整力などへの対応可否、事前審査実績、EMS性能、予定するアグリゲーターとの連携。

④ 2027年度の工程
製造、機器納入、据付、連系試験、運用開始までのスケジュール。

⑤ 保守・保証
電池、PCS、EMSの保証範囲に加え、故障時の窓口、部品交換、ソフトウェアやセキュリティ更新への対応。

「メーカー選び」から「システム選び」へ

これからの系統用蓄電池では、「どこの電池を使っているか」だけでは十分ではなくなってきています。

どの機器を組み合わせ、誰がシステムとして責任を持ち、制度変更や運用にも継続して対応できるのか。

価格、性能、納期、保証、保守、調整力市場への対応、そしてセキュリティまで含めて確認することが、今後の設備選定では重要になりそうです。

人気のあるメーカーを選ぶというより、自社の案件に必要な条件を満たした「構成」を選ぶ。 系統用蓄電池も、そうした選び方へ変わってきていると感じます。

※本記事は2026年9月時点の公開情報をもとに整理しています。制度・認証状況は変更される可能性があるため、実際の設備選定時には最新の公式情報をご確認ください。

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