出力制御はどの案件に適用されるのか?|FIT・FIP・PPAを整理 Vol.4

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出力制御の話になると、こんな認識が今でも根強く残っています。

  • 「出力制御はFITの問題でしょう?」
  • 「ノンフィットやPPAなら関係ないですよね?」
  • 「市場連動なら、止められても自己責任なだけでは?」

結論から言うと、これらはすべて不正確です。

出力制御は、FITかどうかで決まる制度ではありません。

この記事では、FIT・FIP・ノンフィット・PPAといった契約形態を横断して、
「どの案件に、なぜ出力制御が適用されるのか」を整理します。

目次

よくある誤解

出力制御は「FITのペナルティ」ではない

出力制御という言葉のせいで、

FITだから止められる、FITじゃなければ自由に発電できる

と理解されがちですが、これは制度の構造を取り違えています。

出力制御は、

  • FITの罰則
  • 再エネ優遇の代償

ではありません。電力系統を守るための「需給調整ルール」です。

基本整理:出力制御は「系統につながる案件」すべてが対象

最初に一番大事な整理をします。

出力制御が適用されるかどうかを決めているのは、
FIT・FIP・PPAといった制度ではありません。

決めているのは、その発電所が電力系統にどう接続されているかです。

つまり、

  • 系統に連系している
  • 電力会社(一般送配電事業者)の設備を使っている

この条件を満たす限り、原則として出力制御の対象になり得ます。

FIT案件の場合

まず、最も分かりやすいFIT案件です。

FITでは、

  • 発電した電気を
  • 国が定めた価格で
  • 一定期間
  • 電力会社が買い取る

という仕組みになっています。

ただし、

「どんな状況でも全量を必ず買い取る」

とは、制度上も契約上も書かれていません。

FIT案件であっても、

  • 系統の需給バランスが崩れる場合
  • 安全運用が難しい場合

には、出力制御は普通に行われます。

30日/360時間/無制限といったルールが問題になるのは、
まさにこのFIT案件が中心です。

FIP案件の場合

FIPになると、

  • 売電先は市場(JEPXなど)
  • 価格は市場連動
  • プレミアムが上乗せされる

という形になります。ここでよくある誤解が、

市場で売っているのだから、出力制御は市場の問題では?

という考え方です。

しかし実際には、

  • 市場に出す前に
  • 物理的に発電を止められれば
  • そもそも売る電気が存在しない

という話になります。

FIPであっても、系統につながっている以上、出力制御は適用されます。

違うのは、

  • FIT:売電収入が減る
  • FIP:市場売上+プレミアムが減る

というお金の見え方だけです。

ノンフィット案件の場合

「ノンフィットなら自由」というイメージも、実務では当てはまりません。

ノンフィットであっても、

  • 系統に売電している
  • 系統連系設備を使っている

以上、出力制御の対象になります。

FITが終わってノンフィットに移行した案件でも、

FITが終わった瞬間に出力制御がなくなる

ということはありません。

出力制御は、売電制度とは独立した、系統ルールだからです。

PPA案件の場合

PPAは、さらに誤解が多い分野です。

オンサイトPPA

  • 需要家の敷地内
  • 基本は自家消費
  • 系統への逆潮流がない

この場合は、出力制御の議論自体が発生しにくいケースが多いです。

オフサイトPPA

一方で、オフサイトPPAは事情が違います。

  • 発電所は遠隔地
  • 系統を使って需要家に送電
  • 途中は一般送配電網を利用

この場合、FITでもFIPでもなくても、出力制御の対象になります。
PPAだから安全、というわけではありません。

整理するとこうなる

制度別にまとめると、次のようになります。

  • FIT: 出力制御の対象(条件付き補償)
  • FIP: 出力制御の対象(市場売上が減る)
  • ノンフィット: 出力制御の対象(契約・市場次第)
  • オフサイトPPA:出力制御の対象
  • オンサイトPPA(完全自家消費): 原則、対象外になりやすい

つまり、

出力制御の有無を分けているのは、「制度」ではなく「系統を使っているかどうか」

ということです。

セカンダリー・金融での重要ポイント

セカンダリーや金融の場では、

  • FITか
  • ノンフィットか
  • PPAか

よりも先に、次の質問を置く方が安全です。

この案件は、系統に連系されているか?

YESであれば、出力制御リスクはゼロにはなりません。

そのうえで、

  • どの出力制御ルールに属するか
  • エリアとして抑制が常態化しているか

を、これまでの記事で整理してきた「2つの物差し」で評価していく、
という流れになります。

まとめ

出力制御は「制度の話」ではない

最後に一言でまとめます。

  • 出力制御はFIT特有の話ではない
  • FIP・ノンフィット・PPAでも適用される
  • 判断軸は系統につながっているかどうか

この整理ができると、「この案件は出力制御がある/ない」
「なぜそのリスクを見込むのか」を、
制度に振り回されずに説明できるようになります。

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この記事を書いた人

永輝商事ブログはじめました。環境とエネルギーなどの情報をみなさんにお届け致します。また、プラスになる情報がありましたらご紹介させて頂きますので、ぜひご覧になってください。

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