ここ最近、取引先様から相談された事、「ネズミに悩んでいるんだけどどうすればいい?」です。当社では営業活動をしていますと、様々な取引先様からのお悩みをお聞きすることがございます。
なかなか無いお悩みだと思っていたのですが、他の取引先様にもお伝えしたところ、以前はネズミに悩んでいたと仰っておりました。普段は、話辛い話題なのかもしれません。
その後、その取引先様は直ぐ対策し、事業を継続していらっしゃいます。今回、色々とググりながら、お聞きしながら、直ぐ対応できる事もお伝えして参りますので、ぜひ、ご参考にしてください。
ネズミ1匹が“経営リスク”になる時代

飲食店の衛生管理は、お客様の信頼とブランドを守るうえで欠かせないものです。その中でも特に注意したいのが「ネズミの侵入被害」です。
たった1匹のネズミが、
- 食品汚染
- 保健所からの指導
- SNSでの炎上
- 営業停止や信用失墜
といった重大な問題に直結する可能性があります。
今の時代は、SNSでの炎上は気を付けなければなりません。

なぜ飲食店にネズミが出るのか?【発生の本当の原因】
ネズミが飲食店に惹きつけられる5つの理由
飲食店は、ネズミにとって理想的な生活環境が整っている場所です。
その理由は、以下の5つにまとめられます。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 餌が豊富 | 生ゴミや食べかす、調理中の食材など、常に食料がある状態です。しかも、夜間は無人で“取り放題”になります。 |
| 隠れ家が多い | 厨房裏・倉庫・天井裏・配管まわりなど、人の目が届かない場所がたくさんあります。 |
| 夜間が無防備 | ネズミは夜行性のため、営業終了後の無人時間帯に活発に行動します。 |
| 水がある | シンクや排水溝、床の水滴など、飲み水になるものが常にあります。 |
| 侵入しやすい構造 | ネズミは10円玉ほどの穴(約2cm)からでも侵入できます。特に古い建物では注意が必要です。 |
飲食店特有の構造的なリスクとは?

店舗設計がネズミの通路になっている
厨房と倉庫、調理場と裏口などが配管や電線でつながっている構造が多く、それがネズミの通り道になります。
また、テナントビルの場合、隣の店舗から侵入してくるケースも少なくありません。
清掃の抜け・“床置き”の文化
営業後の清掃が目に見える範囲だけで終わってしまう店舗もあります。
床の隅や排水まわりの汚れ、床に直接置いた容器などが、ネズミにとって餌場になります。
ゴミの放置・保管管理の甘さ
閉店後、店の外にゴミを出したままにしていませんか?
それだけでネズミは集まり、ルートを学習して定着してしまいます。
段ボールや新聞紙の山
段ボールや紙類は、ネズミが巣作りに使う素材として好みます。
「片付けるつもりで放置しているだけ」の倉庫や冷蔵庫裏が危険地帯になることもあります。
ラットサインの見逃し
「なんとなく音がした」「黒い粒があった気がする」という違和感を、見過ごしていませんか?
ネズミの痕跡(=ラットサイン)を知らなければ、初期段階で気づけないことが多く、被害が拡大してしまいます。
ネズミ被害を放置すると、どうなるのか?
| リスク | 内容 | 経営への影響 |
|---|---|---|
| 食品汚染 | フンや毛、尿が食品や調理器具に混入するリスクがあります。 | クレーム、炎上、営業停止の可能性 |
| 設備破損 | ネズミが配線をかじることで、ショートや火災の原因になります。 | 修理費・休業損失が発生します |
| 爆発的な繁殖 | 1匹が1年で100匹以上に増えることもあります。 | 駆除コスト・管理の負担が増大します |
| 法令違反 | 衛生状態が悪化すれば、HACCP違反や保健所の指導を受ける可能性があります。 | 業務停止、改善命令のリスクあり |
| 風評被害 | SNSや口コミで「ネズミが出た店」と広まる可能性があります。 | 顧客離れ・信用失墜につながります |
根本的に防ぐための3ステップ
ステップ1)侵入を防ぐ「構造対策」
- 換気扇や配管、通気口、ドアの隙間などを定期的に点検します。
- 10円玉サイズの穴も、ネズミはすり抜けてしまうため、金属メッシュやコーキング材などで確実に封鎖します。
- 古い建物やテナントでは、専門業者による“防鼠工事”を検討するとよいでしょう。
ステップ2)餌と隠れ家をなくす「環境対策」
- 営業終了後は、床・棚・排水口まわりまでしっかりと清掃します。
- 食材は床から10cm以上離して、密閉容器で保管しましょう。段ボールのまま保存するのは避けた方が安全です。
- 生ゴミは屋内保管を徹底し、可能であればすぐに回収されるように手配します。
- 倉庫や厨房の“暗くて静かな場所”も定期的に整理・明るく保つことで、巣になりにくくなります。
ステップ3)発生したら即対応する「スピード初動」
- フン、かじり跡、黒ずみ、足音などの異変を感じたら、即対応しましょう。
- 市販の忌避剤や罠では一時しのぎに過ぎず、繁殖や再侵入は防げません。
- 早期に専門業者へ相談し、調査・駆除・封鎖・清掃指導まで“トータルで対応”することが大切です。
成功事例に学ぶ「根本解決」

事例①)天井裏から侵入していた中華料理店
配管まわりの隙間から侵入していたネズミを、金属メッシュで完全封鎖。厨房のゴミ置き場も改善し、半年間、ネズミの痕跡が確認されませんでした。
事例②)夜間のゴミ出しをやめた居酒屋チェーン
閉店後のゴミ放置をやめ、営業終了後30分以内に清掃・ゴミ処理・施錠のルールを設定。クレームゼロを達成しました。
事例③)年契約で防鼠点検を実施したレストラン
月1回の専門業者の巡回、点検、衛生アドバイスを導入し、被害再発ゼロを達成。HACCP監査でも高評価を得ました。
よくある失敗とその回避策
| 落とし穴 | 内容 | 解決策 |
|---|---|---|
| 駆除で終わってしまう | 捕まえるだけで、根本原因が残る | 駆除+封鎖+清掃の 3点セット対応 |
| 自力で何とかしようとする | 忌避剤や罠では再発を防げない | 専門業者の調査・処置を活用する |
| ゴミ・食材の管理が甘い | 夜間放置・密閉されていない | 密閉・即処理・清掃ルールの徹底 |
| 清掃が習慣化されていない | 人によってやる内容がバラバラ | チェックリストを導入し可視化 |
今すぐできるセルフチェックリスト
- 換気扇・排水口まわりの隙間がないか確認した
- ゴミ箱にフタをして、夜間放置をやめた
- 食材・段ボールを床に直接置いていない
- 営業後に床や排水溝まで毎回清掃している
- フン・かじり跡・異音を定期的に確認している
- 年1回以上、専門業者に点検を依頼している
これらの項目がすべてクリアできていれば、ネズミの侵入リスクは大きく下がります。

「ネズミ対策」は“経営戦略”の一部です

ネズミ被害は単なる衛生の問題ではなく、店舗の存続に関わる重大なリスクです。
被害を防ぐためには、
- 侵入経路をふさぐ構造対策
- 餌や隠れ家をなくす環境対策
- 発生後のスピード対応とプロとの連携
この3つを継続して行うことが最も効果的です。
清潔でネズミのいないお店は、お客様に安心感を与え、スタッフの働く意欲にもつながります。
「ネズミの出ない飲食店」は、それ自体が“信用されるブランド”です。
今日からできることを見直し、根本的なネズミ対策を始めてみませんか?