「災害に備えて、非常用の発電機を買った」「防災グッズを揃えた」──そうした声をよく聞きます。しかし、非常時のためだけに準備した設備や道具は、いざという時に“ちゃんと動く”とは限りません。
非常時に本当に使えるのは、普段から稼働し、生活の中に溶け込んでいる設備です。
その代表が、太陽光発電と蓄電池。今回は「非常用設備」ではなく「毎日使うインフラ」としての太陽光発電の価値を、レジリエンスの視点からお伝えしていきます。
非常時だけの備えは、役に立たない?
使わない備えは、使えない備えになる
- モバイルバッテリーの劣化
- 発電機の燃料切れ・故障
- 設備の操作方法を忘れてしまう
これは“日常で使っていない”からこそ起こる問題です。
いざという時、慣れていない設備を使うのは難しい。だからこそ、非常時にも使える設備とは、「日常から動いている=稼働しているもの」なのです。
「いつも使っている」ことが最大の防災になる

太陽光発電は“備え”と“生活インフラ”を両立できる
晴れた日は電気をつくり、家庭や事務所内で使う。蓄電池があれば、夜や雨の日も貯めた電気でまかなえる。
つまり、太陽光発電と蓄電池は「毎日稼働しているインフラ」でありながら、非常時にもそのまま使える“本当に動く備え”です。
日常で使うからこそ、メンテナンスもできる
- 発電量の変化に気づける
- バッテリー容量の低下にも対応できる
- 不具合があれば早期発見できる
日常の中で設備が使われていれば、自然とチェック・管理ができるようになります。
操作に慣れているから、非常時でも安心
ご家庭であれば、家族や全員が普段から触れている電気の仕組みです。環境教育にも適しているのが、太陽光発電設備になります。
太陽光からの電気、蓄電池の残量、どこに非常用のコンセントがあるか、子供と一緒に電気のしくみも学びながら、知っている状態を保つことが、非常時に冷静な行動を可能にします。
レジリエンス住宅としての太陽光発電の価値
レジリエンスとは?
災害などのトラブルがあっても、しなやかに持ちこたえ、すぐに回復できること。電気の面でのレジリエンスとは、「停電しても生活を止めない」仕組みをもつことです。
太陽光発電と蓄電池を備えた住宅は、まさに“レジリエンス住宅”の中核と言えます。
自宅で電気を生み出し、ためて、使う
- 昼間:太陽光で発電し、家電に供給。余った電力は蓄電池に充電
- 夜間・停電時:蓄電池から必要な電力を供給
普段からこの流れが把握していれば、停電時でも“いつものように”暮らせる可能性が高まります。
設備投資の価値が日常にもある
非常用設備の多くは、「使わないまま劣化する」ことが課題でした。
でも、太陽光発電は違います。毎日稼働し、電気代を節約し、非常時にもそのまま使える、常に価値を発揮し続ける投資です。
どうやって始めればいい?

まずは「自宅の電気をどう使っているか」を知る
- 冷蔵庫、スマホ、照明、エアコン……
- 非常時にも「これだけは止めたくない」機器は?
- 日常でどれくらいの電気を使っているか?
これを把握することで、必要な発電量や蓄電容量が見えてきます。

太陽光+蓄電池の導入を検討する
- 屋根の条件(日当たり、面積)
- 費用と補助金制度
- 信頼できる業者選び
ここで重要なのは、「非常時用」ではなく「毎日使う」設計をすることです。
家族で情報共有しておく
- 蓄電池の場所や使い方
- 停電時の切り替え手順
- 非常用コンセントの位置
普段から発電モニターを見ていると、自然と情報も共有されていきます。太陽光の電気はダイレクトに電力量に反映されます。
今こそ、“使える備え”に変えるとき
ふだんから動いている=信頼できる備え
止まっている備えより、動いている備えの方が、圧倒的に信頼できます。太陽光発電は、普段から電気を生み出し、生活を支えてくれる。そして非常時には、そのままの状態で力を発揮します。
自分の家を“動くインフラ”に
太陽光と蓄電池は、もはや“防災グッズ”ではありません。それは毎日を支え、もしもの時にも強い、“動くインフラ”です。さらに皆様の家が、ただの住宅ではなく、家族を守るレジリエンスの拠点になります。
備えるから、暮らしの一部にする時代へ

- 非常時だけの設備は、いざという時に使えない可能性がある
- 普段から稼働している太陽光と蓄電池なら、操作にも慣れ、安心して使える
- 毎日の暮らしを支えているからこそ、非常時にも頼れるアイテムになる
備えることは、しまっておくことではなく、暮らしの中に取り入れること。太陽光と蓄電池で、家そのものをレジリエンス化し、災害にも停電にも強い暮らしを始めましょう。
まずは、毎日の電気の使い方を見直すところから。皆様の家が「備えが動く家」に変わる第一歩です。