病院とクリニックの違いと医療機関の法人形態とは？

クリニックと病院って同じじゃないの？

病院やクリニックは、どちらも医療機関ですが、その違いを明確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか？

この記事では、病院とクリニックの違いと医療機関の法人形態について詳しくお伝えしていきます。

病院とクリニックの定義

病院とは

病院は、法律上20床以上の入院施設を持つ医療機関と定められています。診療科目が多く、手術や高度な医療が必要な患者の治療を行う施設が多いのが特徴です。

クリニック（診療所）とは

クリニック（診療所）は、入院施設がない、または19床以下の医療機関を指します。一般診療や軽度の外科処置が中心で、通院を前提とした診察がメインとなります。

病院とクリニックの主な違い

設備の規模

• 病院は、CT・MRIなどの高度な医療機器を完備し、救急医療や手術対応が可能。
• クリニックは、基本的な診断機器を備えるが、精密検査や大規模な手術には対応しないことが多い。

現在のクリニックは、特化した医療を提供しているため開業時からCT・MRIなどの医療機器を完備している事が多いです。

診療科目の幅

• 病院では、多くの診療科があり、専門医が対応。
• クリニックは、特定の診療科に特化した医療を提供。

診察時間と予約の取りやすさ

• 病院は、待ち時間が長くなる傾向がある。
• クリニックは、比較的スムーズに診察が受けられる。

診察の流れ

• 病院は、受付→診察→検査・処置→会計と時間がかかる。
• クリニックは、受付から診察・会計まで短時間で済むことが多い。

医療機関の法人形態とは？

個人開業（個人事業主）

特徴：医師が個人でクリニックを開業。法人化せずに運営する形態。

医療法人

特徴：病院やクリニックを法人化した形態。経営の安定や税制上のメリットがある。

種類：

• 社団医療法人：医師が集まって設立（例：病院グループ）。
• 財団医療法人：特定の目的のために財産を拠出して設立（例：公益性の高い病院）。

社会医療法人

特徴：公益性の高い医療法人で、救急医療や地域医療に貢献することが条件。

社会医療法人は、ドクターヘリなどのヘリコプターを保有していることもあります。

学校法人附属病院

大学が運営する病院（例：大学病院）。

医療生活協同組合（医療生協）

特徴：組合員が出資し、地域の医療を支える。

公的医療機関（自治体病院・国立病院）

特徴：国や地方自治体が運営する医療機関（例：市民病院、国立病院機構）。

本業以外の事業ができる法人は？

本業以外の事業が可能な法人

1. 一般の医療法人：老健施設、訪問看護などの附帯事業が可能。
2. 社会医療法人：介護・福祉・教育関連の事業が可能。
3. 学校法人附属病院：大学や看護学校の運営が可能。
4. 公的医療機関：研究機関運営、地域医療支援などが可能。

売店業務ができる法人は？

1. 一般の医療法人：患者向けの売店業務が可能（営利目的不可）。
2. 社会医療法人：病院内売店・コンビニの運営が可能。
3. 学校法人附属病院：教材・医療書籍販売、カフェ運営が可能。
4. 公的医療機関：病院利用者向けの売店・コンビニ運営が可能。

駐車場経営ができる法人は？

1. 一般の医療法人：病院専用駐車場のみ運営可能。
2. 社会医療法人：病院利用者・職員向けの駐車場運営が可能。
3. 学校法人附属病院：病院・大学関係者向けの駐車場運営が可能。
4. 公的医療機関：病院利用者向けの駐車場運営が可能。

まとめ

病院とクリニックの違いを理解し、適切に使い分けることで、スムーズに医療を受けられます。

また、医療法人の形態によって、可能な事業の範囲が異なるため、売店業務や駐車場経営を行う際は、法人の種類や法律上の制限をよく確認することが重要です。