2026年から産業用の太陽光発電システムは設置義務化!?
「2026年から太陽光パネルが義務化されるらしい」
最近、こんな情報を耳にして不安を感じている企業は少なくありません。
特に、
- 工場や倉庫を持っている
- 省エネ法の定期報告を出している
- 営業先から制度対応を聞かれる
こうした立場の方ほど、「結局、載せないと罰則があるのか?」、「今すぐ投資判断を迫られるのか?」
と疑問が膨らみがちです。
結論から言うと、この制度は“設置義務”ではありません。ただし、「何もしなくてよい制度」でもありません。この記事では、
- 制度の正体
- 何が義務で、何が義務でないのか
- 実務上、企業が本当にやるべきこと
を整理してお伝えします。
よくある誤解:「太陽光を必ず設置しなければならない?」

まず、最も多い誤解から整理します。
【誤解】
2026年から、対象企業は屋根に太陽光を設置しないと違反になる
【正しい理解】
「屋根に太陽光をどの程度導入する考えか」を示すことが義務
つまり、“設置そのもの”ではなく、“目標と計画の提出”が義務という制度です。
制度の正式な位置づけ(何が始まるのか)
この制度は、省エネ法改正に基づくもので、正式には「屋根設置太陽光発電設備の導入目標の策定・報告」が求められます。ポイントは次の3つです。
対象は一部の大口需要家のみ
- 年間エネルギー使用量が原油換算1,500kL以上
- 全国で約1.2万社と想定
- すでに省エネ法の定期報告をしている企業が中心
中小企業や単独の小規模工場は、基本的に対象外です。
対象となる屋根は限定されている
すべての建物が対象になるわけではありません。
- 原則:1建屋あたり屋根面積1,000㎡以上
- 工場・倉庫・大型店舗が主な想定
- 小規模店舗や小さな営業所は除外
「会社全体が対象」でも、報告が必要な建屋はごく一部というケースも多くあります。
義務の中身は「目標を示すこと」
2026年度から求められるのは、中長期計画書に「屋根太陽光をどう考えているか」、「導入を検討する方針があるか」を定性的に記載すること。
重要なのは、
- 数値目標でなくてもよい
- 「設置予定なし」と書いても違反ではない
という点です。
実務で何が求められるのか(2段階で理解する)

【第1段階】2026年度:考え方を示す
- 屋根条件を把握する
- 「導入を検討する/難しい理由」を整理する
- 方針を文章で示す
社内整理が主目的です。
【第2段階】2027年度以降:状況を報告する
- 屋根面積
- 設置済み・未設置の状況
- 設置しない場合は理由
「なぜそう判断しているか」を説明できればOK。
なぜ「設置義務」ではない制度なのか
背景には、国の現実的な狙いがあります。
- メガソーラー用の土地が限界
- 建物の屋根は全国に大量にある
- ただし、無理な義務化は反発を生む
そのため、企業自身に「判断材料を整理させる制度」として設計されているそうです。
言い換えると、
太陽光を載せさせる制度ではなく
載せる・載せないを合理的に判断させる制度
です。
営業・企画の立場で押さえるべき視点

この制度を「規制だから対応しないといけない」と説明すると、話は進みません。
一方で、
- 電気代削減
- 将来のGX-ETS・炭素価格への備え
- 屋根資産の見える化
とセットで整理すると、投資判断として前向きに検討されやすくなります。
制度対応は“入口”であって、本質は経営判断の材料整理です。
まとめ:この制度の正体
最後に、要点を整理します。
- 太陽光の設置義務ではない
- 目標・方針・考え方の提出義務
- 対象企業・対象屋根は限定的
- 設置しない判断も制度上は認められる
- 重要なのは「説明できる状態」を作ること
2026年は、「太陽光を付ける年」ではなく、「どう判断するかを整理する年」と捉えるのが、
最も実務的な理解です。