系統用蓄電池を調べていると、「JC-STAR」「セキュリティ要件適合評価」
「ラベリング制度」といった言葉を目にすることがあります。
ただ、多くの人にとっては
- そもそも 何の制度なのか分からない
- 系統用蓄電池と どう関係するのかが見えにくい
- 今すぐ対応が必要なのか 判断できない
という状態ではないでしょうか。
まずは、JC-STARという制度が どんな背景で作られ、
何を目的としているのか から整理します。
JC-STARとは何のための制度なのか

JC-STARは正式には「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」
と呼ばれる仕組みです。
一言で言えば、ネットワークにつながる機器やシステムが、一定の
サイバーセキュリティ要件を満たしているかを評価し、分かりやすく
示すための制度と整理できます。
背景にあるのは、
- IoT機器や制御システムの普及
- エネルギー設備のデジタル化・遠隔制御化
- サイバー攻撃が「事業リスク」や「社会インフラリスク」になってきたこと
といった変化です。
従来は「機能」や「性能」だけを見ていればよかった設備でも、
つながる以上、守れるかどうか が問われる時代になっています。
JC-STARは、その判断材料を 共通の物差しで可視化しよう という
考え方に基づいた制度だと理解すると分かりやすいでしょう。
「ラベリング制度」とはどういう意味か
JC-STARの特徴の一つが「ラベリング」です。
これは、
- この製品・システムは
- どのレベルのセキュリティ要件に
- どこまで適合しているのか
を 第三者評価に基づいて示す仕組み を指します。
重要なのは、「安全です」「問題ありません」といった
主張のための制度ではない という点です。
あくまで、比較・判断するための情報をそろえる
という位置づけに近い制度だと考えられています。
なぜ系統用蓄電池と関係してくるのか

ここで、系統用蓄電池との関係が見えてきます。
系統用蓄電池は、
- 系統と常時接続され
- 出力制御や遠隔監視を行い
- 市場取引や需給調整にも関わる
という性質を持っています。
つまり、「エネルギー設備」でもあり、「ネットワークにつながる
制御システム」でもあるという立場にあります。
そのため、
- 万一の不正アクセス
- 制御不能や誤作動
- 社会インフラへの影響
といった観点から、セキュリティをどう担保しているか が、
今後より問われやすくなっていくと考えられます。
JC-STARは、こうした設備が「どの程度の前提で設計・運用されているのか」
を整理するための 共通言語 として位置づけられている制度だと
捉えると理解しやすいでしょう。
入口段階で押さえておくべきポイント
この段階で重要なのは、「今すぐ認証が必須なのか」という
結論を出すことではありません。
入口として押さえておきたいのは、
- JC-STARは サイバーセキュリティの可視化制度 であること
- 系統用蓄電池は 制度の対象になり得る性質を持つ設備 であること
- 今後、事業者・機器選定・取引条件の中で「前提知識として知られているかどうか」
が効いてくる可能性があること
この整理ができていれば十分です。
まとめ:次に考えるべき視点

JC-STARは、「対応すべきか否か」を即断する制度ではなく、
判断の土台を整えるための制度 と言えます。
次の段階では、
- どんな機器・システムが対象になりやすいのか
- 系統用蓄電池のどの部分が論点になりやすいのか
- 事業者としてどこまで把握しておくべきなのか
といった点を整理していく必要があります。
