BCP対策とは?自ら停電に備えた電源確保の時代に! 

BCP 環境エネルギー

BCP対策とは

BCP

BCP対策はBusiness Continuity Planningの略語です。日本語で言うと事業継続計画となります。BCP対策は以下のように定義されています。

「企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと」(中小企業庁HP「BCP対策とは」より抜粋)

つまりは災害時に被害を最小限に留めて、事業の継続や早期復旧を図る計画です。BCP対策は東日本大震災以降、企業が優先して導入するべき対策として徐々に認知が広がっています。

BCP対策は企業にとって以下のようなメリットがあります。

①自然災害などの緊急事態が発生した際、被害を縮小できる
②顧客からの信用度が高まる・企業価値が上がる
③会社業務の見直しができ、緊急時の対応力が高まる

導入コストや導入に対するスキルやノウハウが必要なことから、2021年5月時点での国内導入率は17.6%とまだ低水準ではあります。しかし、企業に対して上記のようなメリットがあることから、日本国内のBCP対策導入率は年々高まっている傾向です。更にBCP対策を策定中の企業が7.9%、検討中の企業が24.1%とあることから国内企業の約半数はBCP対策の導入について前向きであると考えられます。

参照元:BCP(事業継続計画)とは (meti.go.jp)
参照元:事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2021年) (tdb.co.jp)

2024年介護施設BCP対策の義務化

令和3年度(2021年)介護報酬改定で、2024年以降、国内の介護事業所におけるBCP対策の導入が義務化されました。介護施設は利用者の多くが日常生活・健康管理を含めた生命維持を施設に委ねています。災害などにより介護施設の業務がストップすることは、利用者の生命に直結することになります。こういった観点から介護施設のBCP対策は優先度が高く、義務化に至りました。

では2024年以降、BCP対策の義務化に従わなかった場合はどうなるのでしょうか?現状、BCP対策は自治体から条例として義務付けられており、法律上では特に定められていないため罰則規定はないです。しかし、罰則がないからと言ってやらなくていい訳ではありません。

寧ろ、今後BCP対策をしないことがリスクとなる時代に変化していくかもしれません。BCP対策は企業の価値を高めるというメリットがあり、世間的に推奨されていることから今後実施する企業は多くなります。逆に言うとBCP対策をしていない企業の評価が低くなってしまうかもしれないということです。また、実際に災害が起き、被害者が出てしまった場合、BCP対策をしていなかったから!と非難を受ける可能性があります。

参照元:令和3年度介護報酬改定の主な事項 (mhlw.go.jp)

72時間の非常用電源確保

では具体的にBCP対策とは何をすればよいのでしょうか?

BCP対策は自然災害だけでなく、事故や人為的災害、感染症など多岐に渡る弊害への対応策の策定が必要になります。今回はその中でも最も重要視されている停電時の電源確保についてお話したいと思います。

BCP対策における停電時の非常電源確保は72時間が一般的な基準となっています。この72時間という数字は、自然災害などが起きた際ライフラインの復旧までにかかる時間です。災害時、ライフラインが復旧する順番は電気→水道→ガスの順番で、電気は復旧まで約2日、水道が3日、ガスが7日ほどであると言われています。

最大規模の地震であった東日本大震災では電気1週間、水道3週間、ガスに1か月と復旧期間が想定以上に掛かってしまう場合もありますが、いずれにせよ非常用電源を確保できる時間は長いに越したことはありません。

非常用電源の確保は発電機か蓄電池が一般的です。それぞれ一長一短、使用するに適した場面というものあります。

結論から言うと、BCP対策においては蓄電池の方がおすすめです。太陽光と併せての導入が必要ですので初期コストはかかってしまいますが、それに見合った効果はしっかりとあります。

最近、太陽光発電を含む再生可能エネルギーの普及が脱炭素化社会の実現の主軸になるとして注目を浴びています。太陽光発電については前回の記事【電気も創って売るから創って使う時代へ】でお話しています。お時間がよろしければ是非読んでみてください。

BCP対策において蓄電池がおすすめな理由

BCP対策においては蓄電池の方がおすすめであると上でお伝えしました。その理由について発電機と蓄電池、それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。

BCP対策に適しているかを判断するポイントとして、着目するべき点は非常用電源を確保できる時間の長さと安定性です。

まず、非常用電源の確保時間については、発電機、蓄電池のどちらでも72時間の非常用電源を確保することは可能です。しかし、発電機は燃料が尽きてしまったら発電することができなくなってしまいます。一方、蓄電池は事前に必要な電気量を計算し、適切な容量の電池を導入することで72時間の非常用電源を賄うことができます。また、天気が晴れていれば太陽光発電による電気の供給も見込めるため、東日本大震災時のようにライフラインの復旧に想定以上の時間がかかった場合でも自家発電による電気を使用することが可能です。

安定性においても、発電機は基本的に非常時以外で使用することがほとんどありません。そのため、燃料の維持管理・発電機自体のメンテナンスを怠ると、いざ非常時となったときに故障で動かないという事態も考えられます。蓄電池も定期的なメンテナンスは必要ですが、平常時から使用していることから、そういった不測の事態が起こりづらいです。

上記の通り、非常用電源の確保時間・安定性、どちらにおいても蓄電池の方が優れています。
導入する設備によっては発電機の方が適しているという場合もあるかもしれません。発電機は野外作業やキャンプ、野外イベント言ったアウトドアの場面で有効的に活用されていることが多いです。日ごろから頻繁に発電機を使用している、もしくはそういった機会があるのならBCP対策としての導入も検討して良いかもしれません。

導入コストが比較的安い点で発電機を検討する方もいるかと思いますが、蓄電池は太陽光と併せて導入することで、電気代削減もしくは売電による投資回収が可能です。安いからという理由で発電機を検討している方は今一度、本当に発電機で良いのか、検討し直してみるのもありでしょう。

蓄電池の容量はどれぐらいを選べばいいの?負荷先は?

蓄電池がBCP対策に適しているのは分かったけど、どれぐらいの大きさの蓄電池を導入すればいいのかわからない、、、いざ非常時で蓄電池の電気を使ったとき、一瞬で使えなくなってしまったりしたら意味がないですよね。

蓄電池、及び太陽光発電設備の導入は電気使用量や非常時に使用したい電気量に基づいた事前の綿密な設計が必要になります。あらかじめ停電時の電気の供給先(特定負荷先)を決め、事業が継続できる蓄電池容量を決定する必要があるのです。

実際に蓄電池の容量を決める際の例は以下のような計算になります。

特定負荷先の消費電力量の総計が3kWの場合(例)

3kW × 24時間 = 72kW
72kW × 3日 = 216kW

必要な蓄電池容量216kW
※24時間常時使用した場合の計算。
天気が晴れの場合は太陽光発電の電気で賄えるため、
実際に導入する蓄電池は一回り小さい容量となります(積載パネル次第)

また、非常時に優先して供給すべき負荷先は以下のようになります。

【照明】
夜間の停電であった場合、照明なしの非難は困難になります。
従業員やお客様が安全な避難をするために必須と言えます。

【空調】
夏の猛暑日や冬の極寒日において、空調が使えないことは命の危険に繋がります。
特に介護施設や医療施設では高齢者や入院患者もいるので必須になります。

【エレベーター】
車椅子やベッドでの移動が必要な施設の場合は必須です。
また、停電時エレベーターに取り残された場合も命の危険に繋がります。

【通信機器】
パソコンや電話機などの通信機器は企業の事業継続において非常に重要です。
業務に必要なシステムを維持するための電源確保も必要です。

【医療設備】
医療施設・病院では患者の命に関わるため最優先です。

業種や設備によって優先すべき負荷先は変わってきます。非常時に安心して対応ができるよう、負荷先については入念な打ち合わせのもと決定するべきです。

まとめ

BCP対策についてざっくりですがお話させて頂きました。初期コストやスキルが必要なところがネックですが、企業に対して様々なメリットがあるため義務化されていない業種でも導入を検討する価値は十分にあるかと思います。

BCP対策の策定に向けた蓄電池の導入を検討している方、BCPでなくとも自家消費型太陽光発電設備の導入に興味がある方、是非、永輝商事にお問い合わせください!永輝商事では2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、蓄電池及び、自家消費型太陽光発電システムの導入に積極的に取り組んでおります。お客様の生活に合わせた最適な設備をご提案させて頂きます!

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