コーポレートPPAを検討し始めると、必ず出てくるのが
「オンサイト型」と「オフサイト型」という言葉です。
どちらもPPAであることは同じ。
しかし、仕組みもリスクも検討ポイントも異なります。
まずは構造から整理します。
よくある誤解

よくあるのは、
- オンサイト=小規模
- オフサイト=大規模
- オフサイト=自己託送
といった理解です。
実際には、規模で分かれるわけではなく、発電設備が
どこにあるかが本質的な違いです。
オンサイトPPAとは
オンサイト型は、需要家の敷地内(工場屋根・遊休地など)に
発電設備を設置するモデルです。
仕組み
- 発電事業者が設備を所有
- 需要家の敷地に設置
- 発電した電気をそのまま施設内で使用
- 余剰分は売電または出力制御(契約次第)
特徴
- 託送料金がかからない
- 比較的シンプルな契約構造
- 設置可能容量は敷地条件に依存
- 建物の耐荷重や屋根状態が重要
イメージとしては、「自家消費型太陽光の所有者が事業者になった形」です。
オフサイトPPAとは
オフサイト型は、需要家とは別の場所に発電所を設置し、
その電気を送配電網を通じて供給するモデルです。
仕組み
- 発電所は遠隔地
- 送配電網を経由して電力供給
- 託送料金が発生
- 小売電気事業者が間に入るケースが多い
特徴
- 需要家の敷地条件に左右されない
- 大規模発電が可能
- 複数拠点への供給設計も可能
- 契約構造がやや複雑
RE100対応やScope2削減を強く意識する企業で採用が増えています。
最大の違いは何か

両者の最大の違いは、電気が物理的にどこで作られるか。
そして、送配電網を使うかどうかです。
| 観点 | オンサイト | オフサイト |
|---|---|---|
| 設置場所 | 自社敷地内 | 遠隔地 |
| 託送料金 | 不要 | 必要 |
| 規模 | 敷地依存 | 比較的大規模可 |
| 契約構造 | 比較的単純 | 複雑化しやすい |
| 導入目的 | 電気代削減 | 再エネ調達・脱炭素 |
自己託送との違い
混同されやすいのが「自己託送」です。
自己託送は、自社が発電設備を所有し、送配電網を使って自社拠点へ送る仕組み。
一方オフサイトPPAは、発電事業者が所有する電源から購入する契約です。
つまり、「自己託送=自社所有」「オフサイトPPA=他社所有」
という点が決定的に違います。
どう使い分けるか
オンサイトが向きやすいケース
- 屋根や遊休地に余力がある
- 電力使用量が安定している
- 電気代削減を主目的とする
オフサイトが向きやすいケース
- 敷地に余裕がない
- 使用電力量が大きい
- 脱炭素目標達成が最優先
ただし、実際はハイブリッド型も存在します。
オンサイトで賄いきれない分をオフサイトで補う設計も可能です。

まとめ

オンサイト型とオフサイト型の違いは、単なる設置場所の違いではありません。
- 託送料金の有無
- 契約構造
- 導入目的
- 規模の自由度
これらが変わります。
まずは自社の「敷地条件」「電力使用量」「脱炭素目標」「契約許容期間」を
整理することが出発点になります。
PPAは「再エネ設備」ではなく長期の電力契約設計です。
構造を理解したうえで比較することが、
判断ミスを防ぐ第一歩になります。