法人でEV充電器を導入する際、本体価格や補助金の条件には目が向きやすい
一方で、見落とされやすいのが「電力契約への影響」です。
設置工事は問題なく完了したものの、
- 基本料金が想定より上がった
- デマンド値が上昇した
- ブレーカーが頻繁に落ちるようになった
といった事例は珍しくありません。
原因の多くは、設備そのものではなく「契約条件の理解不足」にあります。
ここでは、法人導入時に起こりやすい見落としを整理します。
見落とし① 契約方式を正しく把握していない

法人施設では、従量電灯契約ではなく、低圧電力契約やデマンド契約に
なっていることが多くあります。
この場合、単純なアンペア契約とは異なり、
「最大需要電力(デマンド値)」が基本料金に影響します。
6kW充電器は数値上は大きく見えなくても、既存設備と同時に稼働すれば
ピーク値を押し上げる可能性があります。
契約方式を確認せずに導入すると、年間固定費が想定外に
増えることがあります。

見落とし② 同時使用電力を計算していない
EV充電は“追加負荷”です。
しかし実際には、
- 空調
- 業務用機器
- 照明
- 厨房設備
などと同時に稼働します。
充電器単体の6kWだけを見ても意味はなく、重要なのは
「ピーク時間帯の総負荷」です。
特に昼間に充電する場合は注意が必要です。
夜間専用運用とでは影響が大きく異なります。
見落とし③ 基本料金と電力量料金を混同している

電気料金は、
- 基本料金(契約容量・デマンドに依存)
- 電力量料金(使用量に依存)
で構成されています。
EV充電の電気代増加ばかりに目が向きますが、実際に負担増となるのは
基本料金の上昇であることも少なくありません。
契約容量を引き上げる判断をする前に、運用調整で回避できないかを
検討する余地があります。
見落とし④ 将来負荷を想定していない
法人導入では、
- EV台数が増える可能性
- 充電器を追加設置する可能性
も考慮すべきです。
今は1台でも、将来的に複数台運用になる場合、
最初の契約設計が中途半端だと再見直しが必要になります。
短期最適ではなく、「将来の最大負荷」を想定した
設計が重要です。
まとめ 判断の軸はピークと契約方式

法人EV充電で失敗が起きやすいのは、
- 契約方式を把握していない
- ピーク電力を見ていない
- 基本料金の仕組みを理解していない
この3点に集約されます。
設備そのものの出力よりも、契約条件とピーク管理の設計が
成否を分ける と言っても過言ではありません。
導入前には、「現在の契約内容」「最大需要電力の履歴」
「充電時間帯の想定」を一度整理することが、無理のない
運用につながります。