JC-STARについて調べていると、「2027年度から義務化される」
「太陽光は確定、蓄電池は検討中」といった話が断片的に出てきます。
2025年12月12日付け日経新聞の見出し「太陽光発電設備のサイバー対策、
27年度に義務化 家庭用も対象」の記事をさらに読むと、
既存の設備も、制御システムを更新するタイミングでは認証取得が必要になる
余った電気をためる蓄電池の制御システムも対象にすると書いてある
とあり、「それって結構広い話では?」と不安になる人も多いはずです
この記事では、ここを含めてJC-STARで
- すでに決まっていること
- まだ決まっていないこと
を整理します。
まず全体的なまとめ

JC-STARで確定しているのは、太陽光発電のPCSに対するメーカー義務。
ただし「新設だけ」の話ではなく、既存設備でも制御システム更新時は対象になる。
蓄電池については、制御システム(EMS)を中心に今後の整理が続いている段階。
ここが、今回の資料を踏まえたまとめ です。
すでに決まっていること①
太陽光発電のPCSはJC-STAR★1が義務(2027年度〜)
これはこれまで通り、確定事項です。
- 対象:太陽光発電設備の PCS(パワーコンディショナ)
- 義務主体:制御システムのメーカー
- 内容:JC-STAR レベル1(★1)の取得
PCSは発電量管理・出力制御・系統連系を担うネットワーク接続された制御中枢 であるため、
制度の対象になっています
すでに決まっていること②

「新設だけ」ではない点は重要
ここが見落とされがちなポイントです。
記事には、はっきりと
既存の設備であっても、制御システムを更新する場合は認証取得が必要になる
と書かれています
これはつまり、
- すでに稼働している太陽光発電所でも
- PCSを交換・更新するタイミングでは
新しいPCSがJC-STAR★1を取得していないと使えなくなる可能性がある
という意味です。
※設備そのものを止めろ、今すぐ全て取り替えろ、という話ではありません。
すでに決まっていること③
義務を負うのは「メーカー」である点は変わらない
ここも非常に重要です。
- JC-STAR★1の取得義務 → メーカー側
- 発電事業者・オーナー → 取得を求められる立場ではない
ただし実務上は、
「更新するPCSは★1取得済みか?」という確認を事業者側がする必要が出てくる
という関係になります。
すでに書かれているが「意味を誤解しやすい点」

「蓄電池の制御システムも対象にする」という一文
資料にあるこの一文は、かなり強く読めてしまいます。
余った電気をためる蓄電池の制御システムも対象にする
ただし、ここは太陽光PCSのように“すでに確定した義務”とは違うという整理が必要です
まだ決まっていないこと①
蓄電池は「どこが制御中枢か」で整理中
蓄電池は、太陽光と違い制御システムが層構造 になっています。
- ローカルEMS(蓄電池内部の制御)
- 上位EMS(電力会社・アグリゲーターからの指令)
- 双方向型PCS(電気を変換する部品)
このうち、「ローカルEMS」「上位EMS」がJC-STARの対象になる可能性が高い
と整理されていますが、
どこまでを義務対象にするかはまだ最終決定ではありません
なぜ「既存設備+蓄電池」が書かれているのか
この一文の意図は、「もう決まったから対応しろ」という意味ではなく、
今後、ネットワークにつながる制御システムは新設・既存を問わず
JC-STARの考え方で整理していく
という 制度の方向性 を示していると読むのが適切です。
特に蓄電池は、
- 系統制御
- 調整力
- 遠隔指令
と密接に関わるため、制御システムを対象にする議論が避けられないという文脈です。
事業者としての正しい受け止め方

ここまでを踏まえた、実務的なスタンスは次の通りです。
- 「既存設備も全部すぐ義務化される」と構える必要はない
- 「蓄電池ももう確定事項だ」と決めつけるのも違う
一方で、
- PCSやEMSを更新する場合、JC-STAR取得の有無を無視できなくなる
- 蓄電池では、EMSがどんな役割を担っているか説明できる状態が重要
JC-STARは“即対応を迫る制度”ではなく、“説明責任が発生する制度”
として理解するのが、最も現実的です。
まとめ
決まっていること
- 太陽光の PCSはJC-STAR★1が義務
- 義務主体は 制御システムメーカー
- 既存設備でも、制御システム更新時は対象
まだ決まっていないこと
- 蓄電池で どのEMSが義務対象になるか
- 蓄電池全体での最終整理
JC-STARは、一気に白黒をつける制度ではありません。
だからこそ、「確定情報」と「方向性の話」を分けて理解すること
これが、系統用蓄電池・太陽光の実務では一番大切なポイントです。