急速充電だけではないABBのEV充電が企業向けに注目される背景

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EV充電器は「速さ」だけで決められない

EV充電器の検討を始めると、多くの企業が最初に直面するのが 「急速充電器を入れれば解決するのではないか」という発想です。

確かに、充電時間の短さや分かりやすさから、急速充電は目を引きます。 一方で、実務の現場では

  • 本当にその出力が必要なのか
  • 電力や運用が破綻しないか
  • 将来の増設や使い方の変化に耐えられるか

といった、設備全体としての成立性が問われます。

そうした検討の中で、ABBのEV充電ソリューションは 「急速充電器メーカー」という枠を超え、 インフラ設計の一部として整理しやすい存在として、 企業の比較検討に挙がるケースが増えています。

本記事では、売り込みや優劣判断ではなく、 企業がEV充電を考える際の思考整理の軸として ABBがどう位置づけられているのかを整理します。

ABBとはどんなメーカーか|EV充電の前に知っておきたい前提

ABB(Asea Brown Boveri)は、 電力・配電・制御・オートメーション分野を中核とする グローバルな電機・インフラメーカーです。

EV充電事業は、ABBにとって単独の新規事業というよりも、 電化・エネルギー制御の延長線上に位置づけられています。

この背景により、ABBのEV充電は

  • 充電器単体の性能
  • 電力設備との関係
  • 拠点全体での運用

を切り離さずに考える思想が前提にあります。

企業向けの検討では、この「充電器だけを売るメーカーではない」という点が、 安心材料として受け取られることも少なくありません。

EV充電市場におけるABBの位置づけ|なぜ比較対象に入るのか

EV充電インフラ市場では、多くのメーカーが存在します。 その中でABBは、特にDC急速充電を含む中〜大規模用途で 世界的に認知されているメーカーの一つです。

ただし、ここで重要なのは 「シェアが高い=正解」という話ではありません。

企業がABBを比較対象に入れる理由は、

  • グローバルでの導入実績が前提にある
  • 高出力だけでなく普通充電も含めた製品レンジがある
  • 電力インフラを含めた説明が通じやすい

といった、検討プロセスを進めやすい条件が揃っている点にあります。

EV充電は、導入後に条件が変わることが前提の設備です。 そのため、最初から 「変わる可能性」を前提に議論できるメーカーが、 比較の土台に置かれやすくなります。

よくある誤解|EV充電=急速充電器を何台置くか

EV充電の検討で起きやすい誤解の一つが、

EV充電インフラ=急速充電器の台数設計

という考え方です。

もちろん、急速充電は重要な選択肢です。 しかし企業利用では、EV充電は 業務・人・時間・電力と結びついた仕組みとして機能します。

この視点が抜けると、

  • 思ったほど使われない
  • 電力コストや基本料金が重くなる
  • 拡張や変更が難しくなる

といった問題が、後から顕在化しやすくなります。

基本整理|ABBのEV充電は「機器」より「役割設計」に近い

ABBのEV充電が企業向けに語られる理由は、 充電器の性能そのものよりも、 役割分担を前提に設計できる点にあります。

その考え方を理解するために、 代表的な2つの充電器を「充電の役割」で整理します。

壁掛け式AC普通充電器|Terra AC wallbox(6kW)

企業向け文脈で語られることが多い製品ですが、条件次第では住宅用として使われるケースもありますここではBtoB視点を軸にしつつ、住宅利用との関係も整理します。

充電の役割

Terra AC wallboxは、いわゆる普通充電(AC充電)に分類されます。

  • 充電速度は緩やか
  • 長時間駐車を前提
  • 「早く終わらせる」より「溜めておく」充電

という位置づけです。

企業で想定される充電シーン

  • 社用車・営業車の定位置充電
  • 工場や倉庫での常駐車両
  • 従業員向け駐車場での充電

これらのケースでは、 短時間で満充電にする必要はありません。

翌日の業務に支障が出なければ成立するという考え方が、 AC普通充電の前提になります。

設備設計上の考え方

  • 電力ピークを作りにくい
  • 台数を分散しやすい
  • 将来の増設が比較的考えやすい

この特性は、企業施設だけでなく戸建住宅や集合住宅でのEV充電とも共通しています。

Terra ACは、もともと業務用・半公共用途を前提に設計されていますが、

  • 充電時間に余裕がある
  • 夜間充電が中心
  • 高出力を必要としない

といった条件が揃えば、住宅用普通充電器として成立する考え方とも重なりますTerra ACは、 EVを日常業務に自然に組み込むための充電として整理できます。

同時に、 「自宅で毎日少しずつ充電する」という住宅用EV充電の基本的な考え方とも近く、 用途は違っても、充電思想自体は共通していると言えます。

DC急速充電器|Terra DCシリーズ(50〜180kW)

※こちらは住宅利用を前提としない充電器であり、 以下はあくまで企業・施設用途としての整理です。

充電の役割

Terra DCシリーズは、DC急速充電に分類されます。

  • 短時間で一定量を充電
  • 回転率や滞留時間が重要
  • 業務フローと直結する充電

という性格を持ちます。

企業で想定される充電シーン

  • 配送・物流車両の合間充電
  • 来客や外部車両への対応
  • 拠点間移動の中継地点

「待てない」「止められない」業務では、 急速充電が必要条件になります。

設備設計上の考え方

  • 電力容量の確保が前提
  • 同時充電時の負荷管理が重要
  • 充電器単体ではなく拠点設計が問われる

Terra DCは、 電力インフラと一体で成立させる充電として整理する必要があります。

2機種は上下関係ではなく役割分担

Terra ACとTerra DCは、 どちらが優れているかを比べる関係ではありません。

視点Terra AC wallboxTerra DCシリーズ
充電の考え方時間を使う時間を短縮する
主な用途常駐・長時間回転・短時間
電力設計比較的軽い設計が重要
想定シーン日常業務業務の要所

ABBのEV充電は、 この2つを組み合わせて考える前提が取りやすい点に特徴があります。

なぜ企業検討では充電を分けて考える必要があるのか

EV導入が進むと、 すべての車両が同じ使われ方をする状況はほぼありません。

  • 動かない時間が長い車
  • すぐ次に動く必要がある車
  • 外部の人が使う可能性のある車

これらを同じ充電器で賄おうとすると、 どこかに無理が生じます。

ABBのEV充電が企業向けに注目される背景には、 使われ方の違いを前提に充電を分解できるという設計思想があります。

まとめ|ABBが比較対象に挙がる本当の理由

※補足として、ABBの普通充電器(Terra AC)は 住宅用EV充電器として語られることもありますが、 本記事ではあくまで企業・施設側の判断整理を主軸にしています。

ABBのEV充電が企業向けに注目される理由は、 「急速充電が強いから」ではありません。

  • 普通充電と急速充電を役割で分けられる
  • 電力インフラと切り離さずに考えられる
  • 将来の変化を前提に検討しやすい

こうした判断の余白を残す設計の考え方が、 導入を検討する企業にとって安心材料になっています。

EV充電器選びは、 何を入れるかではなく、 どう変わっても破綻しないかを考えるプロセスです。ABBは、その思考整理を進めるための 比較軸として使われている、と捉えることができます。

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この記事を書いた人

永輝商事ブログはじめました。環境とエネルギーなどの情報をみなさんにお届け致します。また、プラスになる情報がありましたらご紹介させて頂きますので、ぜひご覧になってください。

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